2010年7月21日水曜日

意図から見る著作権法

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著作権法について、作られた意図から見たことについて簡単に書いてみようと思います。
WEBに関しても著作権法がどういう目的で作られたかを知る事は、決して無駄では無いと思うからです。
面倒な法律ですし、私自身ちゃんと把握している自信は無いのですが、大枠ではこうだろうという理解は合っているかと思います。

尚、この記事ではマッシュアップ等のWEB特有の複雑な点はほとんど扱いません。著作権法の基本的なスタンスを、その意図からかければと思っています。
WEB特有の問題に踏み込んではいませんが、基本的なスタンスであるが故に何かしらの判断の基準になるのではないかと思います。

ちなみに、最も言いたいところは、小見出しの「著作権法は誰の為の法律か」の場所ですのでそこだけ読んで頂くのも良いかと思います。



著作権法とは


著作権法とは、著作物に対する権利を守る為の法律です。

もともと、著作権法には方式主義と無方式主義の2つの主義がありました。

方式主義とは、何らかの方法で政府なのどに著作物を登録して初めて著作権が発生する方法です。
現在ではこの方法をとっている国はほぼ皆無ですが、一時期はそれなりの数がありました。

対して無方式主義とは、著作物が作られた時点で無条件に著作権が発生する方法です。
万国著作権条約を経て©(コピーライト記号)が認められ、全世界的にこの方法が広まっています。

日本でも無方式主義ですので、基本的に子供であろうと会社員であろうと何かを作れば著作権が発生します。
WEBでの事を考えると、誰かのサイトの何かには、必ず著作権があるということになります。
少しぐらい良いだろう。なんて考える余地はないのです。
なにせ、作ったら即権利が保護される訳ですから。

ちなみに、著作権の無い著作物と言うのもあります。
日本の著作権法には「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第1号に掲げる著作物に該当しない」という文言があるからです。

具体的には、
  • 憲法その他の法令
  • 国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
  • 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
  • 前述の翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が作成するもの
というものです。

簡単に書くと、国等が広く一般に知らしめるための著作物なので、著作権法による保護の必要がないからです。
このあたりのもの(官報とか)は基本的にコピーや電子化し放題ですね。

ただ、これらを意図的に編集しまとめたりした本(例えば民間の会社が出す判例集とか)は著作権が発生します。
他にも判例が複雑に絡んで来ますので、基本的に上記の国や地方公共団体などが発酵するもの意外は権利があると考えた方が安全です。

著作権法に規定された権利


著作権法を細かく見て行くと、実に多くの権利があります。

代表的なところだけでも、
  • 複製権
  • 公衆送信権(送信可能化を含む)
  • 口述権
  • 上映権
  • 頒布権
  • 翻訳権
  • 二次的著作物の利用に関する原著作者の権利
等があり、実際には判例により更に細かい適用がなされています。

そして、この○○権というあたりに著作権法の意図が強く反映されています。

著作権法は誰の為の法律か


著作権法で非常に誤解されやすく、かつ最も重要なポイントが以下の点です。

○○権は利用者が○○出来る権利ではなく、著作権者が○○を制限できる権利である

条文を読むと分かるのですが、著作権者の利益や権利を保護する為の法律なのです。
ここで著作権法は誰の為の、何の為の法律かという質問に戻ります。
この答えは、

著作権者の為の、著作権者以外に著作物を利用させない為の法律

となります。
著作権は著作物を自由に利用する為の利用者の権利ではなく、あくまで著作者の利益を守る為の権利なのです。
では、著作権者以外が引用等をある程度自由に行える根拠はどこにあるのか?
根拠は条文にある、権利者の持つ権利を制限できる場合を明記した部分です。

つまり、複製権は「利用者が複製できる権利」ではなく、「利用者に複製させない権利」です。図書館や私的利用で複製できるのは、条文でこの権利が制限されているからに過ぎません。

WEBで重要となる公衆送信権や送信可能化権(利用者がサーバー等にデータをアップロードし自由に見れる状態にすること)も、公衆送信が「出来る権利」ではありません。
権利者の持つ公衆送信「させない権利」が書かれているのです。

この点を誤解して、「利用者が○○出来る権利」であると考えていると大きな間違いを犯す事になります。

著作権法違反で何らかの処罰が下る場合は基本的に財産権の意味合いが強い場合であり、ガッツりと金銭を支払う事になります。
法律の趣旨が権利者の権利を守る為の法律なので当然の結末とも言えます。

ちなみに、著作権者の権利を更に守る為に著作権の登録制度という制度も存在します。
プログラムに関しては他と違うところでの登録になるようですが。

詳しくはこちらを参照して下さい。


結び


前述の著作権法は制定後に根本的な改革がなされておらず、現在では時代遅れの法律です。
裁判所もそれを鑑みて判例で対応しているようですが、いかんせん法改正がなされていないと難しい状況です。

現在では公共の利益に資するには、著作物の公正な利用が必要であると考えられています。
著作権を強く保護する事は、創作活動に支障をきたすと言う訳ですね。

WEBの世界では特にこういった考えが主流であり、公正な利用を促す為の権利形態が出来上がってきています。
いまだ完璧ではないにせよ、公正な利用を目指している事には間違いはありません。

反面、著作権法との乖離は大きくなる一方のようです。
足下を救われない為にも、著作権法が利用する側の権利ではないという意図をもっている事を理解し、供えておく必要があるのではないでしょうか?



参考資料


著作権に関する参考資料は以下を参照してください。
分かりにくい法律だけに、ケースごとに書かれているものがわかりやすいと思います。

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