2010年9月22日水曜日

自治体のキャラクター利用の実際

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自治体のキャラクター利用について。

もともと探していたデータは、自治体がキャラクターで運用するツイッターに関するものでした。
しかし、なかなか良い資料が見つからず。
望みをかけた資料は、ツイッターには一切触れていませんでした。

ですが、無駄骨は嫌なのでこれだけで記事を書く事にしました。


入手した資料


入手したのは以下の資料です。


非常に長いタイトルですが、雑誌の一冊です。

なお、この資料は以前に資料の探し方でご紹介したGiNiiを使って探しました。

幸い大阪府立中央図書館に所蔵があったので、行ってみました。

資料について


タイトルにある通り自治体のキャラクター利用に関する事例です。
シンポジウムでの内容を書き起こしたらしく、どちらかといえば講演録といった趣です。

なお、この講演は平成21年12月5日に高千穂大学で行われました。

資料の前半では、高千穂大学の教授である森平明彦氏と鹿住倫世氏と長谷川万希子氏が挨拶と簡単な話をされています。

続いて、同じく高千穂大学の教授である庄司真人氏の研究成果報告があり、パネルディスカッションなどが続きます。
このパネルディスカッションにページの大部分が裂かれています。

講演部分とは別立てで、杉並区のキャラクター「なみすけ」に関する実態調査という箇所もありました。

著作権法上コピーできるのは全ページの半分までなので、手元にあるのは前半の挨拶と成果報告と実態調査のみです。

資料の概要


最初の挨拶の部分では、話の掴み程度なので特に気になる点はありませんでした。
続く、庄司氏の講演部分ではいくつか興味深い内容がありました。

以前はイベント型キャラクター(万博や国体などイベントの為のキャラクター)が中心でしたが、最近では地域の為のキャラクターという視点が増えて来たそうです。

地域の為のキャラクターは地域ブランドの確立と利用を目的としており、その為の手段として自治体のキャラクタは制作・運用されます。

企業のブランド戦略と違い、自治体ではグッズ販売の収益などの営利目的以外にも目を向けている点が特徴です。

地域に対する愛着を作り出すことが、地域キャラクターの第一の役目だからです。

それ故に、役所ではいろいろなところにキャラクターを露出させ、キャラクター自体を育てようとしています。

「なみすけ」に関連して


なみすけ」が作られた背景には当初からアニメーションとの関連があり、最初から幅広い露出に対応する土台があったようです。

また、「なみすけ」のブログが展開されており、「なみすけ」が区内各所を回る記事によって観光案内の役目を果たしているようです。

役所の積極的な運営と計画が下敷きにある、立派な事業と言えるのではないでしょうか?

反面、地域内の調査で「杉並区とキャラクターの関係性が感じられない」などそもそもデザイン面の問題もあるようです。

ただし、地域内での露出に尽力すれば、キャラクター自体の知名度は確実に向上するようです。
調査結果では杉並区では「なみすけ」を知っている人が7割にのぼっています。

杉並区内の調査対象もいるのですが、杉並区内にある高千穂大学内での調査のため、数値を一般化して考えられるとは思えません。

ちなみに分母は200人で、杉並区内意外での認知度は2割程のようです。

なお調査報告では、区域外に対して活動する場合はキャラクターと杉並区の関連性をより深める必要があると書かれていました。

読後の感想


「なみすけ」はブログも作られており、WEB上でも活動をしている点は役所の力の入れようを物語っているとも言えます。

反面、地域ブランドを確立の為に地域資源をキャラクター化しているにも関わらず、地域との関連性を住民が理解できない矛盾。
役所らしいと言えば役所らしい問題に思えます。

元々、杉並区内のみでキャラクターを活動させて利用するのであったとしても、関連性が見えない点は大きな問題です。
杉並区が「なみすけ」に対して力を注いでいる事は確実ですし、それ故に区域内での認知度が高いのですから惜しい事例です。

地域ブランドの確立を目的とする場合、地域外でキャラクターが成功するにはその地域との関連性が一番重要なのかもしれません。
当たり前のようですが、ここを見過ごしているからこそ地域内ですら認知されない事態を招くのでしょう。

ひこにゃんのように一度メディアに取り上げられば、キャラクター自体の魅力で全国的に認知されることはあるかもしれません。
特に、ご当地のゆるキャラとして認知されれば、かなりの効果を期待できます。

しかし、そこに地域との関連性が見えなければ、地域ブランドの確立としては失敗です。

結び


資料を取り寄せ中身を読んでは見たものの、あまり深い内容ではなく残念でした。
講演会ではなく論文が主体であれば良かったのですが...。

調査対象とされた「なみすけ」のブログは確認しましたがツイッターは確認できませんでした。
「なみすけ」関連のアカウントはあるようですが、非公式と書かれていますし...。

ツイッターと自治体の事例を探しきれず、無念です。

しかし、自治体が実際にキャラクターを作って運用をしている様子を知る事が出来た点は、興味深かったです。
てっきり理論先行の現実味の無い構想か、マスコットキャラクターとしてグッズを販売する目的かと考えていたもので....。

今後も時々「ツイッターと自治体」というテーマで調べて、良い情報や資料がみつかれば記事にしたいと思います。

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