2011年1月16日日曜日

未完成の魅力

スポンサーリンク

物事は完成してこそ。

仕事のタスクなどは完成して当然なのですが、絵画やデザインの表現では未完成の方が魅力的に思える場合が多々あります。
納品する制作物であっても、取り入れられる要素ではないでしょうか?



100%の完成度


100%の完成度とは一部の隙もなく、徹底的に突き詰められた制作物です。
全てのパーツがあるべき所に納まり、他のパターンや要素など入り込む隙がありません。

まさに完璧。

実際にここまでの完成度が得られる事はまず無いとは思いますが、それでも一般的に目指されている到達点ではないでしょうか?

想像する余地のない堅さ

100%の完成度を目の前にすると、技術に感心はしても感情を揺さぶられることはあまりないでしょう。
なぜなら、見る側が想像する余地がないからです。

見えるものが全てであり、それ以上でも以下でもないからです。
自己を投影する事も出来ませんし、人間的で曖昧な部分を感じることもありません。

印象としては『拒絶』すら感じる可能性があります。

未完成の魅力


対して、100%ではない未完成の状態ではどうか?

質の低い未完成であれば100%の完成のほうが断然よいでしょうが、質の高い未完成は完成したものより魅力的です。

習作の魅力

例えば、絵画に限らずWEBデザインでも習作を作ります。

構図だったり色だったり。
要素を様々に変化させて最適な形に仕上げます。

この時の習作、魅力的には見えないでしょうか?
ダメな所が多くあるでしょうが、なにかしら惹かれるものはありませんか?

習作には、試行錯誤の仮定で生み出された『可能性』がみえるはずです。

想像する余地

可能性が見える状態は、表現が確定的では無い証拠です。

ここに想像する余地が生まれます。

見る側が想像する余地を感じた場合、閲覧者はそれぞれに自分の中から要素を引き出して変化を決定づける事ができます。
頭の中で、創作活動をしているようなものです。
この体験は無意識に行われ、心を動かします。

具体的に言えば、見る事が楽しいのです。

製品と作品


しかしながら、いかに魅力的であっても未完成の状態で『製品』を納品する事はできません。
納品物が芸術『作品』なら別ですが。

ですが、デザインなどの表現手法の1つとしてであれば未完成の部分を取り入れることは出来るはずです。
閲覧者が想像できる余地あることが、間違いだとは思えません。

WEBデザインでの手法

WEBサイトであれば、未完成の魅力により堅さや画一感が消えて個性が出せます。

よく用いられるのは、一部を破綻させる方法です。
グリッドや色彩や配列などに用いる法則性を部分的に壊し、動きや流れをつくります。
完璧故の停滞感が打破でき、視線とともに感情を動かす事が出来ます。

作って壊すのも1つですし、最初から作らない部分を残すことも1つの手です。

結び


個人的には、完成されたものより過程で作られたものに魅力を感じます。

絵画で言えば、素描(クロッキー)やデッサンが好きです。
完成作品の為の準備物でしかないのですが、技術の高い巨匠の素描ともなればその魅力は絶大です。

興味のある方は、ダヴィンチやミケランジェロなどの素描をご覧下さい。
完成した作品とは違う、あるいは完成品にはない魅力が感じられるはずです。

おすすめの本

昔よくみていた『世界素描大系』が一番のおすすめです。
が、古本しかありませんし価格も高いので図書館等で探される方がよいと思います。



なお、見出しの画像は手持ちの本で『巨匠のデッサン』というシリーズのラファエロです。
学習研究社が1976年に刊行したもの。
ページ数がそれほど無いのですが、A3サイズの大判でとても見やすい。
amazonでもほとんどみないので、こちらも古本屋を巡るか図書館しかなさそうですが。

スポンサーリンク

0 件のコメント :

コメントを投稿