2011年8月15日月曜日

デザイン案を提示する際の私的な方法

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再び縁あって@pacificusさん(以降、パシさん)のブログ「WPSEOブログ」のヘッダーをデザインさせて頂きました。
せっかくなのでこの件に関連して個人的に気にかけている事を少々。


デザイン案の私的提示方法


いきなり結論です。パシさんが今回のヘッダー画像の件を記事にされていますので、そちらを見てもらえれば一目瞭然ですから。特に引っ張る意味も無いかと。

気をつけているのは、デザイン案を複数提示する事です。期間や依頼内容により数は増減はしますが、基本的に複数+各デザイン案のバリエーションです。

複数出す事は当たり前かもしれませんが、メリットを意識すれば効果倍増と考えています。

具体的な選択対象を提示するメリット


案を複数出す最たる理由は、目の前に具体的なデザイン案を出す事でクライアントの要求を引き出せるからです。

WEBに限りませんが、デザインは発注時のハードルが非常に高いと思います。特に初めて発注しましたといった場合には。大抵は頭の中にある「依頼したいデザイン」をデザイナーに説明する必要があるからです。

デザイン案を複数出す事は、クライアントが頭の中の要求を伝える素材を提供する事になり、お互いに意思の疎通がはかどるはずです。

他のサイトのデザインをサンプルに提示しない

時と場合によるので必ずしも、とはいえないのですが....。たたき台として他のサイトのデザインを最初に見せる事はしない方が良いと思っています。この問題はクライアント側が制作に見せる場合でも、同種の危険性があります。

理由は簡単で、サンプルで見せた他サイトの印象が強く残り、こちらが何を提出してもサンプルの方が良いと感じてしまうからです。結果として、最悪の場合は「最初に見たあのサイトと同じように」と言われる可能性があります。

デザインに模倣はつきものですが、デザイナーが考える模倣とクライアントが考える模倣は違うと感じています。デザイナーの模倣は要素や構成などの部分を自分のデザインに取り入れることですが、クライアントの模倣は全部をそのままコピーするというイメージではないでしょうか?

これはデザインの盗用になりますし、そもそも他社と同じでは自社のデザイン上の強みを自ら捨てる行為です。しかし、この辺りを理解してもらうのもまた難しい話しです。結局「いいからやって」と言われる事も無きにしもあらず。

パーツの組み替え


複数のデザイン案を出すことでテキストやイラスト、色や形など複数の要素が出来上がります。これを利用してパーツの組み替えを行って工程を短縮しつつデザインの質を高める事ができます。

例えば、ABCDEの5つのデザインがあったとして。

  • Aのデザインで全体をBの色に
  • Bの枠をCに
  • DとEを会わせた感じで書体はAで
  • Aの色とBの書体とCの枠とDのイラストをEの様なイメージで

このようにクライアントの具体的な要求を引き出しつつ、既に作成したパーツの流用によりデザインの完成度を上げる事が可能です。最初の準備に時間がかかりますが、極めて具体的なミーティングをおこなえるはずです。結果として「こうじゃなかなったのに」といったリスクも回避しやすくなります。

初見のインパクトを利用する

少し狡い事をいえば。
最初に作成した素材を見せる事で相手の印象を強め、他の選択肢を消す事も出来ます。これは前述した他サイトのデザインを先に見せない理由をこちらに有利なように利用する方法です。つまりは、新たな素材を作成しなくとも良くなります。

当然ではありますがこういう方法をとるためには、前提としてデザイン案自体を練り込まなければなりません。デザイン案を出す時点で、そのデザイン案が依頼された内容を満たしていると自信を持っている必要があります。でなければ、ただの手抜きです。

WPSEOブログのヘッダーデザイン


今回の「WPSEOブログ」の場合、記事にも書いていただいていますが私自身がパシさんの趣味趣向をある程度理解できていたことが大きなメリットになりました。もちろん再度依頼していただいたと言う事は、パシさんの方でも私の趣味趣向をある程度理解していただけたからでもあると思います。

クライアントへの理解を具体的に表すと、パシさんの記事の下部にある「ヘッダーデザインギャラリー」の02と03が顕著です。

ブログ全体と以前のヘッダーのから一番落ち着く色として青を考え、最初に青背景の02を作成。その後、パシさんは黒基調のデザインが好みなので03を作成。といった感じです。なお前回の「パシのSEOブログ」のヘッダーが黒だったのも、青を最初に作った理由の一つです。
加えて立体感を出すためでもありますが、全体的に光沢を強く出しているのもパシさんの好みを考えてです。

加えて上記のような趣向を考えた上で、全く違う方向の04〜06のデザイン案を提示しました。別の趣向を具体的に示す事でパシさんが新たな面を発見し、同時に私がその面を把握出来るかもと思ったからです。また、選んでいただけるパーツの幅を増やすためでもあります。

結び


簡単に書くはずが、結局長くなりました...。

タイトルに「私的」と入れてあるので最後に非常に私的な考えを。他の方も同じに考えているかどうか分かりませんので悪しからず。

デザイナーは自信を持ってデザイン案を出します。ですが、それに対して「意見を言わないで」とはまったく思っていません。出したデザインが批判に晒され、形をかえるのは当然なのですから。デザインの善し悪しがわからないから言えない、というのは無しでお願いします。すべてのデザインには理由があり、それを説明いたしますので。

もちろんデザイン的に譲れない部分はあります。例えば、目立たせなければならない文字を背景と同じ色にしろと言われれば、「同じにできません」と答えるしかありません。ですが同じにしたい理由を伺った上で、違う案を提示する事はできます。しっかりと打ち合わせをさせていただければ可能なのです。

「デザイナーが出したデザインが全て良いデザインだ」という錯覚を捨て、共にデザインを作り上げる視点をもっていただければ更に良いものができあがると思います。

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2 件のコメント :

  1. パシさんのブログのヘッダー可愛くなりましたね。
    ガンプラを思い出します笑

    御地蔵様の
    他社サイトを参考資料とせず、いくつか案を出されるというのは、臨機応変に対応できるデザイナー様ならではの発想ですね。営業の観点からすると、工数を考えてしまい、他社サイトの事例を見ながらクライアントの要望を絞り込んだ上で、クライアントの強みを表現した形を作るのが常套手段だと考えておりました。
    あとまあ、コンテンツを含めて考えると競合・自社の善し悪しを一度洗ってみる3C分析は必要かなと考えております。

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  2. コメントありがとうございます!

    徳田さんもガンプラ作られてたんですね(笑
    今のイメージからすると、Star Warsのフィギュアとかが似合いそうな気がします。


    他社の事例をサンプルにする方法は効率的で現実的だと思います。私自身その方法を排除はできません。
    実際、この記事のやり方は時間をかけすぎる点は大きな問題だと思いますし。

    とはいえ、それでも後々お客さんに暖簾に腕押しするような説明をする事を思えば個人的にメリットは大きいです。作る側としては自由に発想できる点もポイントではありますが。

    なお「コンテンツを含めて考えると競合・自社の善し悪しを一度洗ってみる3C分析は必要」というお言葉はその通りだと思います。
    他社がどういう意図でどうしているのかを説明しながら自社についての事柄を話せば、実例を有効に使った有益かつ有効な打ち合わせが可能になりますから。

    デザインも同様に出来たら良いのですが...。「事例と同じにして」と投げられやすい気がします。
    『デザインの差別化』という武器を放棄しているデメリットが、デザイン以外の部分では分かるのにデザイン理解していただけない。
    この点、私の未熟さに起因する問題とも言えますが...それだけで無い気もしています。

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