2014年9月23日火曜日

「イスラム国」に見る名称による印象の意図的な固定化

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Web制作にはあまり関係がない(示唆を意図はしていますが内容的には異質)主題ではありますが、名称による印象の誘導について少々。

なお、政治や宗教に属するテーマに見えるかもしれませんが、私個人のそういう主張を行う内容ではありません。あくまでテーブルに載せた素材程度だとご了承ください。

「イスラム国」という名称


最近よく目にする「イスラム国」。最初webで見た時のニュースタイトルが「米国がイスラム国を攻撃する」のような書き方で、てっきり「イスラム教の国」なのかと勘違いして慌てた覚えがあります。

実際には「イスラム国」は組織の名称(名乗る方は「国」として名乗りを上げたようですが、それを認めない他国から見れば「自称」というレベルでしょうか)であり、少なくとも「イスラム教に属する国家すべて」というような括りではありません。

このあたり、詳細は下記のAFPの記事から辿るといいかもしれません。

シリアとイラクの武装勢力、イスラム国家樹立を宣言

「イスラム国」という名称の怖い所


前項で書いたとおり、ただ「イスラム国」と書かれると困惑します。そして、意味を知った後は「イスラム国」とだけ書かれることに怖さを感じます。

なぜなら、名称としての「イスラム国」という言葉には「イスラム教の国々」という意味も持ち続けているからです。「イスラム教の国々」を表す別の言葉が定着するのなら別ですが、少なくとも今はないはずですし浸透もしていません。

メディアは基本的に文字数と闘い続けているところであり、一文字でも削りたいという意識はあるでしょう。ですが、さすがに『米がシリア領内で空爆 対「イスラム国」』みたいなタイトルを繰り返し書かれると...。

現状に至るまでの間にも、「イスラム」という言葉をみただけで過激派や原理主義の印象が頭の隅に浮かんではいました。
今回は言葉的に「イスラム教徒の中の一部」という意味合いの「派」もなく、より包括的な「国」となっている言葉ですから、その印象も全体に及ぶのかもしれません。

名称による印象操作


メディアの場合は使わなくてはいけない名称があると思うので、ここでは触れません。(個人的には「イスラム教の国」との違いをタイトルでも出してほしいですが)

「イスラム国」と名付けた背景が把握できていないので想像に過ぎませんが、仮に印象を操作するために「イスラム国」と名付けたならかなり効果があるのではと思います。

「イスラム国」と名乗ることで「イスラム教の国々」全体であると見せかけやすく、それをイスラム教以外の国の人に印象づけることができるからです。重要なのは、実際にはそうではないとわかっていも印象によって認識自体が浸食される可能性が高い点です。

「清潔そうな俳優」「色気のある女優」「人気のあるスポーツ選手」「その道の専門家」などをイメージキャラクターに据える意味も同じですからね。商品の訴求をするためにキャラクターの印象と商品の印象を同化させているわけですし。

印象操作は是か否か


印象操作は是か否かと問われれば、即答できません。印象操作には悪い面がつきまといますが、それだけでもないからです。

ただ、「悪くない印象操作は何か」を考えると多少は答えがみえてくるように思います。

「悪くない印象操作」とは、実物に虚飾をあたえない印象操作、です。

一番分かりやすいのは「風評被害から回復するための印象操作」でしょうか。もっともこの場合は「印象操作」ではなく「印象回復」とか「印象改善」といいかえられてそうですが。

しかし、どう言い換えても本質はかわりません。相手に意図的な印象を与えるという点において同じですから。

なので、非常に曖昧ですが行為自体に差がないために「印象操作の是非」は「意図による」としか言えないかもしれません。

結び


テーマ的にこのブログで書くか迷って一度没にしたのですが、すこし考え直して公開してみました。

没にした段階では、Webで見かけるメディアのタイトルにある「イスラム国」が「PV稼ぎのための煽った使い方」に見えたことに対する内容の記事でした。ですが、書いていてズレてるなと感じて没に。

ではなぜ手直しをして公開したかと言えば、下記の記事を見たためです。

黒く染まるシリア ─ 活動家が語る「イスラム国」支配地の実態

この記事を読んで『「イスラム国」に参加せざるをえない人の心境や状況を、「イスラム国」という言葉が丸呑みにしている。』という感想を抱きました。以前に「戦争広告代理店」という本を読んでいまして、その記憶とあいまって印象操作の恐ろしさを再度感じました。

Web上では大なり小なりいろいろな印象操作が行われていますし、私自身も行っています。「ブランディング」なんてそのものですよね。

ただ、やってはいけないものや取り返しのつかないものはあります。

「ネタで言っただけ」で済まないと実感した時では既に遅く、実感しないとわからないこと自体も問題

なのだと思います。どうすれば良いのかと言えば「想像する」ことぐらいしか思いつきませんが、起こるだろう問題を具体的に想像できれば、大抵の方は踏みとどまるはずです。そこを軽々と超えていくのは「自覚的に悪意を実行する人」と「儲かるかどうかで判断する人」のどちらかなのかもしれませんね。

という感じのことを考えまして、テーマを少し変更して公開した次第です。

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2 件のコメント :

  1. イスラム国・・・これこそ風評被害生むと思います。自国の問題は何でも風評被害キャンペーンやってるマスコミが、他国のことになるとどうしてこうも無神経なのでしょうか。

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    1. コメントありがとうございます!

      私もそういう気持ちで書き始めていましたし、今も消えた訳ではありません。
      しかしながら、ここまでどこもかしこも統一して「イスラム国」とだけ書くのは何かしらの取り決めがあるのかなぁということも考えてしまいました。

      もちろん、日本人の習慣として根強い「横ならび」というだけなのかもしれませんが。

      とはいえ、いずれにせよ理由を示さずにやっている時点で影響力のあるところのやり方として疑問ではありますね...。

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